七ん家

ななんちを癒しの棲家に

 

父の思い出

紅葉には少し早かったが、今秋も山菜うどんとヤマメの唐揚げ、塩焼きを食べに出かけた。
私が高校生のころ、家族で河原に下り飯盒炊爨(はんごうすいさん)をした。
父は温泉が出たら、老人にただで入ってもらうのだと話していた。とてもサービス精神の旺盛な人だった。ボーリングして出てきたのは冷泉だったが、検査してもらったところ、有効な成分を含んでいるらしかった。
桜の苗木を植え、その他様々な植樹をしていた。小屋を建て、夏にはプールを設置、バーベキューをし、冬には雪遊びをして雑魚寝した。その後、母の両親に10年ぐらい住んでもらっていた。
今、立派になった桜の木が迎えてくれる。人手に渡った山も手入れがよくされており、そこの店はいつも賑わっている。父の願いは多少なりともかなったのではないだろうか。年に二回は父の桜に会えるのが楽しみだ。