『お母さんっ』と声をかける。
『あっ、○○ちゃん。よう来たね』
『会社の帰りよ、寒くない?』
『寒い!』
大判のタオルで肩口をおおう。
ひとしきり、大雪の話や子どもたちの話を聞かせてから
今は眼鏡のない眼のまえでiPhoneの写真をめくってみせる。
いつものように頭をなでていると、すぐ寝てしまう。
その間にそうっと,抜け出す。
家では、お腹をすかせた夫とお姑さんが、ご飯をもりもり食べる。
ご飯を口から摂らなくなった母のことを思い、切なくなる。
私の母のことは、姑は知らない。
もうすぐ4年になる。