七ん家

ななんちを癒しの棲家に

 

夜中の3時と昼の3時

夜中の3時頃、うちの外で何やらゴソゴソと。

泥棒かもしれないので、夫は危険のないように、

まず部屋の灯りをつけた。

ところがまだ、ドンッ、カシャカシャと音は止まない。

 

家中の灯りをつけ、警棒代わりの懐中電灯を持って

雨の中、夫は用心深く外に出た。

 

すると、庭の鉢や壷がひっくり返されており、かすかに

くぅ〜ん、くぅ〜んと声がする。

 

どうやらうちの飼い犬(正確には、お姑さんの愛犬)の

ボストンjが庭をうろついているらしい。

 

先日、てんかんと診断されたjだが、最近になってようやく

「お座り」や「待て」を思い出しているようなので、

皆安心していた矢先のことだった。

 

なぜ、外に出たのか?

 

どうやら、てんかんの発作の後始末の間、お姑さんに

外のウッドデッキに出されていたらしいのである。

そこから逃避行をしたjは身体を植え込みの中に突っ込んだまま

身動きが取れない状態で、ずっと雨に打たれていました。

 

今日の昼過ぎ3時頃、『jがいない!』とお姑さんが言ってきた。

二人であちこち探したがいない。

私も耳鳴り難聴を抱えているのだが、それでもかすかに聞こえる。

くぅ〜ん、くぅ〜ん

 

夜とは別のツツジの植え込みの枝の間で動けなくなっていた。

 

 

    …お医者さんの診断の結果、

    …認知症の症状です。

    …てんかんの薬と、肝臓の薬と、胃薬と…

 

 

    …ぼくは、たくさんのお薬はほしくないのです。

    …ぼくは、ちょっとでもそばにいてほしいのです。

    …くぅ〜ん、くぅ〜ん

 

 

    …jは吠えることを忘れてしまった